a 好きの安売り

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明日から、憂鬱すぎる。 一応言うなと釘は刺したものの、あの教師、いくぶん女子と仲がよすぎるので恐すぎる…。 でも、そういえば。 窓際右4列目の席にいつも先生がいた。 本を読むでも、授業の予習をするでもなく。 ただ死んだように寝てるだけ。 幾度か先生の寝顔を見たことがある。 でもどれもわずかな部分しか見えなかったので、まさか担任の先生だとは思わなかった。 確かに、御坂は綺麗だ。 一度も染めたことがないような純粋な黒の髪で、綺麗に切りそろえられていた。 それからそれに同調したような真っ黒な瞳。目は切れ長で大人っぽい。 でも睫毛もそこそこながくて、瞼にいつも影ができていた。 身長はわかんないけど、とにかく肌が白くて、キメが細かくて… かっこいいというよりも、綺麗、や美人、がふさわしい気がする。 「……あれ メールだ」 風呂に上がったばっかりで、まだ身体が湿ったまま携帯を手にした。
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