a 好きの安売り

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「こんばんは」 玄関に居たのは広瀬だけじゃなかった。 広瀬より少し背の高い男が一人、いた。 「先輩…どうゆうことですか…」 あの日を思い出す。 広瀬の女の差し金で襲われかけたあの日。 3人の男が私の手足を掴み、自由を奪ってあちこちを撫で回され、服を脱がされ。 でも間一髪で広瀬が助けてくれた。 そのときばかりは広瀬が居てくれて良かったと思ったりして。 「ごめんってば。こいつ、俺の彼女見てみたいって。植原に会いたいっていうからあ」 くりくりした瞳を酒のため潤ませて、お願いするように謝ってくる。 一般的にはかわいい。けど私はそんなことに興味はない。 でも行かなきゃ広瀬がうざい。 恐い。でも今は広瀬もいる。 「……どうぞ上がってください」
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