a 好きの安売り

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そう。 今この空間にいるひとは、他でもない、自分のクラスの担任の・・・ あれ?名前何だっけ。 観山?三木?み、み・・・・・・ 「御坂」 低めの、大人っぽさを持った声だ。 初めてちゃんと聞いた気がする。 この人あんま喋んないから。 「みさか・・・せんせい」 「そ。よくできました。」 ・・・馬鹿にされてる。 いや実際馬鹿だけど。 あからさまに笑われると流石に苛々する。 名前で思い出したけど、確か御坂は生徒の間で、このもの言わせぬほどの整った大人の容姿が人気の若い教師だ。 ・・・・こいつ、他の生徒からウケいいからって、私まであんたのことチヤホヤすんと思ってらっしゃるのかしら。 「影薄いんで、忘れてました。すみません。」 ふっと笑って仕返ししてやった。 僅かに細められる純度の高い黒の瞳。 ・・・・・勝った!!
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