あとがき

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「じゃあ、大事にしなきゃね。あなたの誓いが込められた、私だけのリボンなら」  鏡越しに映る煌びやかなリボンに目線を移し、少女の顔に笑みが灯る。  初めて他人から認められた。  ミルフィの身体に宿る誰かも分からない私を、この人は認めてくれた。  私だけに向けられた誓いと一緒に、ひとつの贈り物を手渡して。  この贈り物は……私の証。  私が私である、初めての証。  この人がそれを認めてくれた。  この人を待っていて良かった。  本当に良かった。  初めて私は、私自身と向き合えた気がしたのだから。  新たな出逢いとともに、この物語は始動する。  壮絶な別れを経て、最後に掴んだ新たな命。  無念と悲哀が入り乱れ、残るはたったひとつの決意のみ。  もう二度と、失わせはしない。  決意が宿る少年の瞳に、双対の煌めきが輝き出す。  龍也の真の物語は今、始まりを告げるのだった―― to be conclusion...      
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