《フューチャーズ・キングダム》

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《フューチャーズ・キングダム》

マイは校門前である人物を待っていた。 特に約束をしているワケでも無く、でも絶対に今日こそ…。 ナオト「何、やってんだ?」 不意の後ろからの声に思わず体がビクッと反応する。 マイ「ナオトかぁ~ビックリさせないでよね!」 声を掛けてきたのは家が隣同士の幼なじみの神崎尚斗(カミサキナオト)だった。 ライディングボードと呼ばれるホバーギミックを搭載した移動手段を片手に抱えてナオトは不信そうにこっちを見ていた。 ナオト「カイ先輩でも待ってんの?」 マイはあまりに確信を付いた言葉に平静を装いつつも内心はギクッとしていた。 ナオト「図星かよ!カイ先輩ならとっくに帰ったぜ!」 ナオトとマイが待っていた人物は同じ部活に所属しており、正直なところ、ナオトの方がスケジュールは把握していた。 マイ「そっ、そうなんだ。」 声が上擦っているのが自分でも分かるような反応をしてしまった。 ナオト「カイ先輩なら待ってても無駄!帰ろうぜ!」 ナオトは家路につくと後ろからマイもとぼとぼ着いていくしかなかった。 ナオト「マイ!そういえばFK(フューチャーズ・キングダム)始めるんだろ。」 家へと向かう帰り道すがらにナオトがマイに問いかける。 マイ「うん。藤堂先輩もやってるって聞いたからね。」 自転車を漕ぎながらマイはナオトの問いかけに答える。 ナオト「デッキ作ってるならうちに来いよ!古いカードなら分けてやれると思うし…。」 ナオトは昔に同じゲームをやっていた為に古いカードで現役で使えるようなカードも所有していた。 マイ「うん。じゃあ、ご飯食べ終わったら、ナオトの部屋へ行くね。」 フューチャーズキングダム。  それは世界中で高校生を中心に大流行しているTCG(トレーディングカードゲーム)である。 マイのように好きな人がやっているからとか友達がやってるからを発端に流行を広げてゆき、現在ではプロプレイヤーまで存在している程の流行りっぷりであった。 そして、このカードゲームとマイの出会いがナオトとマイを大きな螺旋へと導いてゆくのである。
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