2.瑞穂(ミズホ)

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そんな中、男の子が私の目の前をゆっくりと通り過ぎていった。 濡れることも構わずに、死んだ魚のように虚ろな眼差しで。 「………ねぇ」 私は思わず手を伸ばす。 「…濡れちゃうよ?」 「………」 腕が濡れ、肩が濡れ、私の頭から雨が滴り落ちる。
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