2.瑞穂(ミズホ)

7/25
前へ
/192ページ
次へ
無言で振り返った男の子が、引き止められた腕を見て、それから私へと眼差しを向けた。 「雨がやむまでは、こっちにおいで…」 「………」 私に導かれるまま男の子は軒下に身を寄せた。 やがて、雷が鳴り始める。雨足がどんどんと強くなって、バケツをひっくり返したような雨が地面に向けて激しく落ちてくる。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

241人が本棚に入れています
本棚に追加