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朝、小鳥の声で俺は目覚めた。すがすがしい朝なのに、俺はなかなか起きれずにいた。
「たっちゃん朝だよぉ、起きて。今日から学校だよ、起きて」
部屋の外から声が聞こえてくる。そんな声を無視して俺はカレンダーに目を向ける。
今日は4月8日(木)……
今日より前のカレンダーには○印がついている。そして今日は俺が通うことになる学校の入学式である。
「たっちゃん、起きないとご飯冷めちゃうよ、たっちゃん」
相変わらず聞こえてくるこの声は俺の彼女の声。訳あって今は俺の家に住んでいる。
なんでこうなったかは俺にもよく分からない。彩の親が忙しく、俺と付き合い出したからちょうどいいみたいなことを言われたな。
「起きたくねぇ……」
適当に考え事をしてると頭が冴えてくる。軽く呟くように漏らした声から分かるように、今日の朝は憂鬱だ。
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