46人が本棚に入れています
本棚に追加
どこにでもある公立高、頭は下の中、俺は下の下、たいして荒れてない平凡な学校だ。
窓際から眺める校庭の景色は時折、意識を遠くへ運ぶ…。
平凡な日常から飛び出したくなる…そんな願望がどこかにあるのかもしれない。
「……野~」
「高野!」
「あ、なに?」
(数学の坂井、いちいちうるせぇんだよなぁ~)
「なにじゃない!ボーっとしてんな!問3答えてみろ」
「分かるわけないじゃん」
「おまえなぁ~!」
勉強、もちろん嫌い。授業なんか聞いたことない。
坂井はいつもの様に諦め他の生徒に当てる。
(まぁ寝ないだけマシだろ)
「タカ!昨日は悪かったなぁ」
2限目の休み時間、中学からのダチの健が話しかけてきた。
「悪ノリしすぎた!また合コンセッティングするからよぉ」
健は申し訳なさそうに手を合わせた。
コイツはホントいい奴なんだ。
俺にはもったいないくらいの…。
俺は根に持つタイプじゃない、だから1日経てば忘れる。
「しゃあねぇな~じゃあ、とびっきりの上玉を頼むぜ!」
健の方を叩きながら前歯を見せた。
「おう!任せとけ!」
健は胸に拳を当て、大船に乗ったつもりでいろと言わんばかりの表情だった。
最初のコメントを投稿しよう!