第1部

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親友と呼べる友達もできた。 クラスのみんなとも普通に仲良くしてる。 好きな人もできた。 まあ…男だけど。 彼に会えなくなるのは、絶対いやだ。 でも、僕はまだ16歳。 たったひとりで日本に残るのは まだいいけど、家事が出来ないから、 困ったことになる。 パパの仕事は何年かかるか分からない。 ……だけど、近くに親戚が いるわけでもない。 頭の中でいろんな思いが、 次から次へと溢れてきた。 そんな僕を察したのだろう。 パパが口を開いた。 「……そこでだ。お前はパパの親友の家で 暮らしてもらおうと思う」 ああ……パパの親友ね。 ふーん、 ……って誰!? そんな人、聞いたことないよっ 僕!! 「山田というヤツなんだが、 パパとは高校、大学と一緒でね。 いいヤツだよ」 笑顔でパパが言う。 ちょっと、待て! 僕、知らないから。 ……うん。 パパにとってはいいヤツでも、 僕は知らないから。
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