第1部

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「ママも知ってるわ。たしか裕翔と同じ年のお子さんがいるはずよ。たしか……名前は……え、えーと……」 ママが、考えるように人さし指をあごに当てて、それをトントンと動かす。 「……ょ……う……」 「り、ょ……り、りょ……」 はい?リョ? なに、それ……。 パパ達の顔はいっそう険しくなる。 「……」 僕は半分呆れながらふたりを眺めた。 「涼っ。そう……りょうちゃんだ。とっても綺麗な子だよ」 ?? パパが思いついたように言う。 「あっそうそう!裕翔は小さい頃に一緒に遊んだことあるのよ。覚えてない?」 ママも両手を合わせて、僕を見る。 ふたりとも、すっきりしたんだろう。 お互いに顔を見合わせて、にっこりと微笑みあった。
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