ツマンネ小説

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荒れていた 俺は人を殴り 殴られて、 毎日過ごしてきた 俺の名前は滅多 銀(メッタ ギン)皆はメッタと呼んでくれる。 ここいらで一番強い喧嘩番長の右腕まで言われるようになった 俺は殴る度に自分の罪を一瞬忘れ、 殴られる度に自分の罪を反省できた。 俺は許されて良い存在じゃない むしろ殴り殺されればいい それか誰かを殺して捕まり死刑になればいい 大馬鹿野郎なのだから、 番長は良い奴だ。 喧嘩を始めようと思い 始めに番長に話しかけた 番長は貧弱な俺を鍛えてくれて、 殴り方や根性や色々教えてくれた こんなカスな俺に車やバイクの話 服やアクセサリーの事まで話してくれた 俺がバカをすれば本気になって怒ってくれた だから俺は番長の右腕になったんだ 番長にふりかかる火の粉は皆、俺がぶっとばしてやった 腕を折られ、 血を流し、 それでも何も失うもののない俺は立ち上がり続け 勝ち続けてきた 物語はここから始まる 「お兄ちゃん」 放課後の帰り道女の子の声に振り替える 何やら聞きなれた声だ 振り替えると同じ年…か一個下の位の女の子がコチラを見ている 「あっごめんなさい。後ろ姿がお兄ちゃんにそっくりだったから」そういうと、 クルッと180°回れ右をして、 走り出した 「おい…」 俺は何やら凄く名残惜しく微かに声を出すが、 彼女には届かなかった 俺は家に帰る 家には親父が一人 昔、 母さんと妹が居たらしいが、 今は居ない この飲んだくれの親父は酒に酔い俺を殴る 殴る価値のない人間 まさに父の事だろう 父は「お前さえ居なければ俺も逝けたのに」とかバカな事を言う こんな父親でもしっかり働き最低限の生活できる金は確保してきているのだ まあ、ありがたいわな 毎日がこんな感じ 俺も洗濯や掃除はめったにしない 汚い男らしい部屋しかない我が家だが、 まあ気を使わなくて良いのは良い 翌日、 番長は思い詰めた顔で俺を校舎裏に呼び出した 俺は番長の言うがままに従った 校舎裏には、 番長の他に俺のツレが二人いた しかし番長の後ろで傷だらけで倒れている 明らかにボコられた後だ 「なんのつもりですか?」俺はわかりつつも聞いてみた
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