不誠実な勇者が魔王

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「少しいいかな魔王代理」 「うおっ!?」 壁から急にセージが出て来やがった! 心臓に悪ぃ登場の仕方すんなよな!? 「おう、どうした」 「城の外に、勇者らしき人影を発見した。魔王らしく追い払ってくれないものかと」 「はあ?勇者だあ?」 ちっ、折角のんびりまったり魔王ライフを満喫していたというのに。 こうも簡単に勇者に平穏をぶち壊されんのか。やってらんねぇな。 「……わかった。だが俺も今は魔王だ。直ぐには出向かねぇ……魔王の間にて指揮を執る。セージ、今現在魔王城に残っている戦力は?」 「俺とレイア、あとはウル……そして今ここに居る面子のみ、かと」 イシトって奴は帰ったし、ソウは部屋で伸びてるから戦力外。さっきのポッカとマネリは戦場に出すなど以っての外だし。 成る程。 ……わかった。 「同志マカとシアは俺と共に魔王の間にて待機。セージは連絡役、逐一戦況を俺に報告しろ。馬鹿とレイアには、魔王城門で待機するよう伝えてくれ」 「了解」 すぅ、と壁に溶けていくセージ。ゴーストって意外に便利かも。 そして、こうやって指示だけ出して戦う防衛戦も初めてだが、中々楽しいじゃねぇか。 くくっ、来るなら来やがれ、この世界の勇者ども!
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