不誠実な勇者が魔王

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「ここか!?魔王!」 扉が勢いよく開かれ、勇者らしき奴と魔法使いらしき奴が現れた。 「此処だ、魔王はよ」 「なっ……人間?」 ええそうですとも。 しかも本来はあなたがたと同じ勇者ですとも。 「人間が魔王やってちゃ悪ぃかよ?」 「いやそうとは言ってないが……とにかく、誰であろうと魔王であれば倒すのみ!」 「おおこわいこわい。全く以ていい心掛けじゃないか、流石は勇者だねぇ」 ゆっくり玉座から腰を上げる。 そして、言葉も無く武器召喚。蒼白と紅黒の双剣、テンペストクレイムを両手に握る。 「同志マカ。お前はあっちの魔法使いを頼む」 「わかったわ」 これでサシ。 対人戦、そして一対一の勝負なら負ける気がしねぇな。 ……尤も、こっちの世界ではどんな魔法使ってくるのかわからないからそれだけが不安の素だが。
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