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「シュウ様っ!私も助太刀しますっ!」
シアが武器らしき扇を構えて駆け寄って来る……が、俺は左腕で制止する。
「お前は来るなシア。見てろ、俺の戦いを」
「でも……!」
「魔王と勇者の決闘に割って入るなよ水臭ぇ。こいつぁ互いの誇りを賭けた決闘、手出し無用だ」
「……!」
シアが言葉を飲み込んでるのが、見ずともわかる。
「さあ言えよ勇者。てめぇの誇りを」
「俺は……俺の誇りは、魔王を倒して世界に平和をもたらすことだッ!」
「大層な誇りなこって。……俺の誇りは、仲間を守ること。後ろのシアを守り通すことが、俺の誇りだ……てめぇがシアに手ぇ出そうってんなら、容赦無く肉片に変えるぜ」
剣の切っ先を向け合う勇者と勇者……ああいや、今は魔王だったな。
暫く睨み合ったあと……先に動いたのは、両手剣を握った勇者だった。
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