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潤「なぜ?」
沈黙を破ったのは潤だった。
樹「ん?」
潤「なぜ、愁稀君をこっちに来させたんですか?」
樹「ん~。一つはただ愁稀に会いたかったから。…もう一つは前を見て欲しいから。」
樹は悲しそうな顔をして話した。
樹「あの日のことは愁稀から聞いてるだろ?」
潤「はい。少しだけですけど。」
樹「私も詳しく聞いた訳じゃない。…でもあの日以来愁稀はずっと心を閉ざしてる。」
潤「…。」
樹「誰も近づけないように。
小さいときからずっと一緒にいた私にでさえ、心から笑わなくなった。」
潤「どうしてわかるんです?」
樹「わかるさ。愁稀のこと大事だからね。…それに、さっき会ったときも笑えてなかった。他の人はごまかせても私にはわかる。」
潤「愁稀君、大丈夫ですかね?」
樹「どうだろう。」
樹と潤は少し顔を見合わせたあと、なにもなかったかのように、自分たちの仕事をし始めた。
愁稀、キミにはたくさん心配してくれる人たちがいる。
キミを大事に思う人もいる。
少しずつでもいいから、自分のために生きてみよう。
-樹side終わり-
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