火喰い飯店

旅行という名の現実逃避

そうは言っても、姉は新婚なので長居は出来ない。

二泊三日の予定で、姉の元へと向かった。

姉の家に到着すると、主人に「着いたよ」とメールを送る。

次は寝る前に、おやすみメールを送らなきゃならない。

あと、何処に行くかもメールする約束をしていた。

面倒だ……。

それに二泊三日でそんなに色々と行ける筈がないのに。

予定としては、一日目は姉の家でゆっくりして、二日目に市内を案内して貰う。三日目の昼過ぎには出発するのだから、実際遊べるのは一日だけだ。

二日目の夜は飲みに行こうかと考えているが、それは内緒だった。

姉の家に足を踏み入れると、新しい木の匂いが鼻をつく。

まだ手垢も付いてない、新しい壁や、歪みの一切ない床。

空気すら綺麗に感じる。

帰ったら主人に言おう。

子供より先に家を建てようって。