火喰い飯店

旅行という名の現実逃避

お義兄さんが帰ってきて、夕食だ。

お義兄さんとは結納の時と結婚式の時しか会った事がなく、その人となりが分からない。
やはり気詰まりだった。

上辺だけの会話を交わしつつ、味の分からない食事をする。

沢山、味見しといて良かった。

腹の中でそう思ってるのが、きっと姉には分かってるのだろう。

私と旦那様の両方に気を遣いながらも、私に「困った子ね」って視線を送ってきていた。

私もお義兄さんに気づかれないように、苦笑いを返す。

うん、やっぱり姉妹って良い。