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カチャリと居間のドアが開くと 「ただ今」 と哲が入ってきた。 「お帰り~。  お仕事お疲れ様でした。」 と言うと 「おう。」 と笑いながら 返事を返してくれた。 ふうーとため息をすると ネクタイを緩める。 ソファにもたれるように 座るとタバコに火を点けた。 タバコを吸いこむと 白い息を吐き出す。 タバコからは青い煙が ゆらゆらと登っていた。 「何ガン見してんの?」 と言われ 意を決して 哲に話かけようとした。 まさに、その時に 「こっちにおいで」 と言われると 話かけるタイミングを 逃してしまい 黙って哲の横に腰かけた。 後ろから腰のあたりに 手をまわされて ほっぺにチュツと キスをされる。 少し赤くなって俯くと 「今日はやけに  しおらしいな。」 と、タバコを吸う。 「そうかな?」 と肩をすくめると タバコの煙を横顔めがけて 吹きかけられた。 「やっ…。」 しかめっ面をすると 「何隠してる?」 と突っ込まれた。
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