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私に向き直り タバコを吸うと また、ふうーっと 私に煙を吹きかける。 「うわっぷ…。 ちょ、もう、止めてよ哲」 と言いながら 手をぱたぱた させて体を引く。 この人私をからかって 絶対楽しんでるよ。 ちょっと怒りたい 気持ちをぐっと 押さえて 何か 言ってくれるのを 期待しながら 哲を見る。 だけど… 表情一つ変えないで タバコの煙だけを 私にかける。 心の中で もう! 私が出かけようとすると 不機嫌になるんだから!!! と怒鳴るが 実際には言えず終い。 「あの…。  もうチケット  買っちゃったんだよね。」 と哲のご機嫌を 伺いながら 既成事実を 訴えるほかなかった。
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