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今日子はキラキラ目のまま グサっ と、フォークを ロールケーキに 突き刺すと その手をくるくる 回しながら話続ける。 「そっかー。  なんか、仲間が  出来たみたいで  うれしい!!  私も素敵な声だと   思っていたからさ。」 「うん、うん。」 大きく頭を振って 相槌を打つ。 「なんか、息子のバンドなんて  褒めると親バカなんじゃと  思われると思って  言えなかったんだよね。」 「いや、柊一褒めてないし」 それはソッコー否定した。 一寸、今日子の手が止まると 「だよねぇー!!」 と、ケーキを持った手を ぶうん、と前に振った。 ロールケーキが テーブルの向こうに 消えたのは言うまでもない。 「ぎゃはははは!」 「あははははー」 「ひイいーー」 「あーはっはっはっ」 「お、お、お腹いた…!」 「もう、なに…。-ひいー。」 と、もう会話にならない。
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