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入学当初、あまりに浮きすぎていた俺。周りは俺と目が合う度に顔を逸らす。そして上級生の不良(本物)がこちらを睨む。やめて下さい。
そして予想通り、上級生方に呼び出される俺。
しかし、俺はこの時、とんでもない勘違いをしていたんだ。
『見た目が地味だから、カモにされかけてんのか!?』
…………だって、まだ高校生になって一日二日しかたっていなかったんだ。見た目が派手だという実感がなかったんだよ。悪いか。
だから必死で抵抗した。空手をしていたから、喧嘩が強いというより打たれ強かった。だから、勝っちゃったの……。相手見た目だけのなんちゃってヤンキーだったし。
それにより駆け巡る噂!
今年は骨のある一年が入ったみてぇだないっちょ相手してやるかぐえっへっへっへ。
実際はただ単に打たれ強いだけの金髪野郎です。
いや、ちょっと待て。何でもとんでもない武術家みてーだぞ。一人で五人相手して無傷だってよ。
嘘です。二人でした。普通に怪我しました。
やべーな…。俺らなんかが相手しちゃいけねーレベルなんじゃねぇか…? ほら、俺らアレじゃん。喧嘩なんて年に一度くらいじゃん。
あんたら不良と名乗るなもう。
こんな感じで噂は拡散。不良たちから一目置かれる存在へ! そして一般生徒から一歩置かれる存在へ! 泣きそうです。
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