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よう。
初めまして、俺だ。
突然だが非常に困った状況に置かれているんだ。
目の前で女の子に絡まれているヤンキーが三人。
え? 逆じゃね?
そう思ってしまうであろうがこれは事実なのだ。
あ、今ヤンキーAが髪を根こそぎ抜かれた。
この女、やばい。
関わったらまずい気がする。
事なかれ主義の俺は、ゴルゴすら気付けないレベルで気配を消し、ゆっくりと、しかし確実にそこから離れていこうとした。
だがそれが失敗だった。
集中をしすぎて、俺は前後左右しか見えていなかった。
そう、下だ。
下にですね、石が落ちてまして。
気付いた時には既に時遅し。
石でつまづき、俺の体が仰向けに倒れていた。
周りがやたら静かだった。
ヤンキー達が泣きそうな目でこっちを見つめる。
こっち見んな。
女の子はゆっくりとこちらを見て、小さく呟いた。
「うわ、ださっ」
許さない。
もう謝っても許さないわ。
怒りを胸に女の子に向けて言葉を放った。
「うわ、貧乳…」
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