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☆ ☆ ☆
目を覚ますと道路に横たわる俺以外、周りには誰もいなかった。
あれ? 俺何してたんだっけ?
そんな事を考えながら立ち上がる。
制服についていた土埃を叩き、携帯を見て時間を確認する。
うお、もう昼過ぎかよ!
今さら学校に行く気のない俺は無気力状態で、フラフラと我が家へ向かった。
愛しの我が家には俺以外、誰もいなかった。
両親はどちらも仕事をしている時間だ。
つまり…今この家は俺の城だというわけだ。
とりあえず、服を脱ぎ捨て生まれたままの姿になる。
そんな俺を咎める存在は今ここにはいない。
鏡の前に立ち、様々なポーズを決める。
我ながらなかなか様になっているな。
最後に両手に気を集中しながら何度も
「か~め~は~め~波―!!!」
一度本気で練習してみたかったんだよね。
段々、手のひらが熱くなってきた。
お!? 出る!? ついに出ちゃう!!?
「か~め~は~め~…っ」
不意に気付いてしまった。
鏡に写った、我が妹の存在に。
絶対零度の視線を受け、俺の身体は固まってしまう。
「「……」」
鏡越しで視線が交差する。
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