一章「犯罪少年」

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「おい!見つけたか!?」 「い、いやまだです!」 「こちら二番隊!完全に奴を見失いました!!」 「くそ!奴はまだこの辺に居るはずだ!捜せ!!」 日本の完全犯罪特殊警察が様々な怒号を上げている。 指示しているのはリーダー的存在だろう。 ──キョロキョロ。 まだ成年に達してない年齢と思われるややくせ毛が目立つ少年が辺りを見渡している。 「チッ。まだ居やがるぜあの野郎……」 少年の名前は櫻庭 凍沙(サクラバ イスナ)。そんな未熟な少年がいる場ではない。 しかし、この少年は違う。 「せっかく撒いたと思ったのによ……」 そう、警察が探しているのは少年、櫻庭である。 彼は見た目に似ず、完全犯罪を次々と起こしている。 最近では豪華なツボを盗み、銀行の金庫を中身だけ抜き出すという見事な完全犯罪を成し遂げた張本人だ。
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