アンパンマンという肖像

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 いつも他愛ない喧騒。僕がやられ、誰かが助けに入り、僕が立ち直って、バイキンマンをやっつける。  僕はきっとその日常に飽きがきていたのだ。  変わり映えのない毎日にでなく、下らない戦いを続けなければならないことに。 「アーンパーンチ!」  毎度毎度のセオリー通りに全ては進む。これからバイキンマンは捨てぜりふを残して逃げるだろう。  そんな決まりきった形に対して、ふと魔が差した。
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