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私が叫んだときには、もう手遅れでした。
突然天井から現れた白い巨体に襲われて、カケルは壁まで吹き飛ばされてしまったのです。
「イタッ!」
壁に激突したカケルの声が聞こえますが……何故、軽く躓いたときのような言葉なのでしょう?
「お、お前は……某轟龍…の亜種?か?」
少し途切れ途切れの声が聞こえた後、カケルが動かなくなりました。
って、えぇ!?
全く痛そうにないセリフだったのに気を失うのですか!?
つまり、私とセイネスで現状を打破しなければならないということです。
私は先ほどの巨体に視線を移します。
巨体は、白い鱗に全身を覆われ肩や背中には鋭利な水晶のようなものが突き出ています。
体長は約15mで尾は短いですが確かに有ります。
四つん這いのドラゴンのような外見で、私は初めて見る魔物です。
巨体は私達が動かないからか様子見するように、こちらをジッと見ています。
「セイネスは知っていますか?」
「僕も初めて見る」
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