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背後から回された腕をレルトは握った。
「フィルシー」
「ん? 何かな」
「ありがとう」
短い言葉のやり取りだが気持ちは充分に伝わった。
多くの言葉はこの2人にはいらない。
「どう致しまして。色々と頑張ってね。応援してるから」
そう言ってフィルシーはレルトから身を離すと、
「私、もう寝るね。明日早いんだ」
「うん。ゴメンね。夜遅くに。おやすみなさい」
「おやすみ、レルト君」
フィルシーの部屋を後にして、自室に戻ったレルトを迎えたのはアネルートフィアだった。
相変わらず晩酌を1人で楽しんでいるようだ。
「酒を飲んだのか?」
「うん。本当に弱い酒を少し。大丈夫、明日の戦いには影響出ないよ」
レルトは寝間着に着替えながら答える。
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