50人が本棚に入れています
本棚に追加
だからとりあえず、男を殴った。
「ぐはっ! い、いきなり何をする!?」
「貴方の顔がムカついたの。早く森の老人の居所を吐かないと、私はますます貴方の顔にムカついてくる」
「ちょっと待て! 森の老人の居所を吐かないことにムカつくなら分かるけど、僕の顔にだんだんムカついて来るってどういうことだよ!」
「言葉のままの意味よ」
「つらい! あまりにもつらいセリフだ!」
「うるさいわ。やはり、貴方は態度からして森の老人の居所を知ってるようね。案内してちょうだい。さもないと体に穴が開くわよ?」
私はポケットに忍ばせていた手裏剣を数枚、男に見せる。男が怯えた表情となった。
「そ、それで俺の体中を刺して刺して刺しまくってしまうのか?」
「ええ。貴方が案内しなければ、刺して刺して刺しまくります」
それを聞いて男はうなだれると、小言で悲しそうにこう言った。
「あぁ、ツチノコが食べれなくなる……」
最初のコメントを投稿しよう!