「根本の森」

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 だからとりあえず、男を殴った。 「ぐはっ! い、いきなり何をする!?」 「貴方の顔がムカついたの。早く森の老人の居所を吐かないと、私はますます貴方の顔にムカついてくる」 「ちょっと待て! 森の老人の居所を吐かないことにムカつくなら分かるけど、僕の顔にだんだんムカついて来るってどういうことだよ!」 「言葉のままの意味よ」 「つらい! あまりにもつらいセリフだ!」 「うるさいわ。やはり、貴方は態度からして森の老人の居所を知ってるようね。案内してちょうだい。さもないと体に穴が開くわよ?」  私はポケットに忍ばせていた手裏剣を数枚、男に見せる。男が怯えた表情となった。 「そ、それで俺の体中を刺して刺して刺しまくってしまうのか?」 「ええ。貴方が案内しなければ、刺して刺して刺しまくります」  それを聞いて男はうなだれると、小言で悲しそうにこう言った。 「あぁ、ツチノコが食べれなくなる……」
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