「根本の森」

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 私は『根本の森』という大きな森を所有している。まぁ、本当は何処かのクソジジイの私有地なのだけれど、私のいう『根本の森』は、男の子のいう秘密基地のようなものだ。  森を見つけたのはちょうど、クソ裕司に勧誘をしておいて入部拒否をされた時期だ。私はそのせいで食事は喉を通らず、嘆き悲しみながら眠れぬ夜を過ごしていた……嘘なのだが。  話は戻る。そのころ根本家ではキノコ狩りが流行っており、私は家族と共にこの森へ訪れた。そしてこの森の素晴らしさ、尊さを知り、この森を『根本の森』と名付け、勝手に自分が所有していると自分の中だけで決めつけた。
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