「根本の森」

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 やっちゃっおう。森の老人をやっちゃっおうと。  私は手裏剣を持って、『根本の森』へ入った。夕方だから薄暗くて、普通の少女は怖くて入ることができないだろう。しかし、私は普通の少女では無い。ありえな少女なのだ。  だが、どれだけ探しても、森の老人の姿は無かった。もしかすると、森の老人が住み着いているというのはただの噂だったのだろうか?時計を見る。もう9時を回ったところだ。もし、夜中に森をうろつく少女を警官が発見したら、警官は私を犯罪者か何かと勘違いするかもしれない。  私はここで、森の老人探しを断念することにした。今日はお家に帰り、明日の朝、再び捜索に出ればいい。  それが甘い判断とは、その時、夢にも思わなかった……
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