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翌朝。
私はお気に入りである紫のジャージを着ると、『根本の森』へ向かった。太陽は輝き、雲一つ無い快晴である。
果たして森の老人はどこへ居るのだろう?昨日はあそこを探しても居なかった。奥のほうも居なかった。彼はいったいどこに?
しかし答えは簡単だった。森の老人は『根本の森』の入口で仁王立ちしていたのだから。
それにもちろん私は怒った。
「私は頑張って貴方を探しました。そして昨日は貴方を見つけることができませんでした。なのに貴方はなんですか?私の努力を無駄にするような登場の仕方をするなんて」
「私はこの森の精霊じゃ。であるからにして、森に居ながら姿を消すことが可能なのじゃ。今日はたまたま気分が良かったので、出て来てやったぞ。感謝しろ」
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