「根本の森」

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 それを聞いて私は笑った。 「精霊? あら、『根本の森』にはメルヘンジジイが居るとは知らなかったわ」  そう言うと、森の老人の高笑いが響き渡った。それに脅えて逃げ出すように、森に居る鳥が大空へと飛び立った。 「何を言う。ワシは夢見る少女では無い。しかも『根本の森』だと? 笑ってしまうわ。笑っちゃう。よし、お前のような愚か者風に言えば、この森は『森の老人の森』だ。どんな間違いがあってもお前の森ではない」 「なにが『森の老人の森』よ。言いづらくて涙が出そう。たとえ、精霊でも自分のものみたいな言い方。ものすごく腹が立つ。貴方はただの自己中心的な老人。子供に嫌われるわよ」 「その言葉、そのまま返そう。悲しき乙女よ」
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