仲直り?

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すると 「あーら、リョウ。ユイに何しようとしてるのかしら?」 「!!?」 サリーの登場にあたしは勢いよく稜から離れる。 心臓がバクバクしてる。 あたしは服をギュッと掴んで息を調えた。 「サリー、タイミング悪すぎ」 「あら?逆じゃない?だってユイから悪い虫を排除したんだから」 「虫……」 サリーがあたしに近づいてあたしを抱きしめる。 そして頭を撫でた。 「言っておくけど、ユイが許しても私が許さないからね」 「分かってる。だって唯の声なくしたの、俺だもんな」 寂しそうに笑う稜。 あたしは左右に頭を振った。 違うよ。 そうじゃない。 稜は悪くないの。 だからあたし、稜と離れたくない。 あたしはサリーから離れて稜に抱き着いた。 「唯?」 「全く、お姫様は貴方の方がいいみたいね」 サリーはため息をついてフッと笑った。 「ほら、早くパーティー会場に行くわよ」 二人 サリーの言葉に頷く。 会場に歩き出した時、稜があたしの耳元で囁いた。 「ドレス、似合ってる」 真っ赤になるあたし。 それから稜の手をギュッと握った。 不安はある。 だけど、稜が側に居るだけで安心できる。 そんな気がしていた。 いざ、パーティー会場へ──── .
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