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「あ、誤解しないでね?あたし、稜と同じ中学校通ってたから稜の事知ってるだけだから」
違うでしょう?
それだけじゃないでしょう?
そう思ったけど、あたしは下唇を噛んで言葉を飲み込んだ。
「学校中が稜と唯ちゃんの事で持ち切りだから、ちょっと気になったの」
「え?」
「大人気の稜に、唯ちゃんっていう本命彼女が出来たって」
本命彼女……。
フラン達の事があってから、あたし達の事を認めてくれるようになった皆。
若干痛い視線はあるものの、昔みたいな大勢ではなくなってきている。
あたしは「そうなんだ」っと曖昧な返事を返した。
「唯ちゃんってさ、今まで稜が付き合ってきたどの女の子達にも前例がないタイプなんだよね」
「え?」
「もしかして本命じゃなくて、遊ばれてるだけじゃないの?」
「!!」
何?
この子……。
怖い……っ
あたしが固まっていると、スッとあたしの前に誰かが立った。
「彼は絶対にユイユイを泣かせるような事はしません」
「杏里…ちゃん?」
あたしと春香ちゃんの間に立つ杏里ちゃん。
杏里ちゃんは怖い表情を浮かべて春香ちゃんを見ていた。
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