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「あら?貴女……」
「日野杏里。あなたの親友だった日野未来の双子の妹です」
え!?
思わず目を見開く。
待って……。
杏里ちゃん確か、春香ちゃんは親友を自殺に追いやったって……。
もしかして、杏里ちゃんの双子のお姉さんが?
春香ちゃんに、『殺された』……。
ハッと我に返る。
何考えてるの あたし?
まだあたしは春香ちゃんの事も杏里ちゃんの事も完全に知らない。
殺されたなんて……。
でも……
だったらどうして杏里ちゃんは、そんな憎しみの篭った目で春香ちゃんを見ているの?
ダメだよ、そんな顔しちゃ。
ダメだよ……。
無意識だった。
ただ杏里ちゃんにはこれ以上そんな顔してほしくなくて……
あたしは後ろから杏里ちゃんの目を両手で塞いだ。
「ユイユイ……?」
「唯ちゃん?」
「もっ、もうこの話終わり!!あたし、杏里ちゃんと行くとこあるから!!」
そう言って杏里ちゃんの手を掴んで教室を飛び出す。
ただ、少しでも早くあそこから抜け出したかった。
たどり着いた空き教室。
あたしは杏里ちゃんと一緒に息を調えた。
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