稜と中島さん

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「りょ…お……?」 あたしの言葉に稜はギュッと腕の力を強めた。 「また……」 「え?」 「また唯がどっか行っちゃったんじゃないかって思って……」 「稜?」 「朝起きたら唯、すでに居ねぇし……」 「あ……」 そうか。 あたし、春香ちゃんの事気にしすぎて今日は一人で学校来たんだっけ。 あたしは少し目を泳がせた。 「唯に何かあったんじゃないかって心配してたんだぞ?」 稜の震えた声に、あたしの中に罪悪感が生まれる。 そうだ。 あたし、何を考えてたんだろう。 稜はあたしを大事にしてくれてる。 今、稜の彼女は春香ちゃんじゃなくてあたしなんだ。 それなのに元カノってだけで動揺して、稜に心配かけて…… あたしは、どれだけ稜にこんな思いをさせれば気が済むんだろう。 あたしはギュウッと稜に抱き着いた。 「ごめんなさい」 「唯?」 「ごめんなさい……」 そうして、あたし達はHRをサボってから教室に戻るのだった。 .
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