3145人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
今日も一日長かった。
あたしが息をつくと、隣で同じように杏里ちゃんが息をついた。
「疲れたね、杏里ちゃん」
「はい。だって今日はユイユイと一緒に走りましたから」
「本当、ごめんなさい」
二人で顔を見合わせて笑い合う。
そんなあたし達の側に稜と雪くんが来た。
「二人で何笑ってんの?」
「稜!!」
「日野さん、生徒会室行くよ?」
「かっ、会長が自分から積極的に生徒会室に行くなんて言うなんて!!」
「ちょっ、日野さん。俺にどんなイメージ持ってるの?」
「本間って、見た目王子なのに中身残念だよな」
「有沢くん!?」
「あ、それわかります、プリンス」
「二人とも酷くない!?唯ちゃん、何か言ってあげてよ!!」
嘆く雪くんに、畳み掛けるドS二人組。
あたしはそんな三人を笑いながら見ていた。
杏里ちゃんと雪くんと別れて稜と二人で校舎を出る。
すると
「唯ちゃん!!!」
‐ガバァ‐
「きゃっ!?」
いきなり後ろから誰かに抱き着かれた。
驚いて振り返ると、あたしに抱き着いていた人と目が合った。
え?
嘘でしょ?
この人って……。
「久遠くん……?」
.
最初のコメントを投稿しよう!