久遠くんとあたし

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なんと久遠くんがあたしに抱き着いていたのだ。 どうして久遠くんが? ていうか、久遠くんあたしの事『唯ちゃん』って……。 目を瞬かせていると稜が久遠くんをあたしから離した。 「新!!てめっ、ふざけんな!!」 「あれ?稜?なんでお前いんの?」 「は!?俺はこの学校の生徒だ!!」 「それは知ってるぞ?だって同じクラスじゃん。じゃなくて、俺が聞きたいのは『なんでお前が唯ちゃんと一緒なのか』って事」 「なんでって……。唯の彼氏だから?」 「え!?お前、唯ちゃんの彼氏!?」 久遠くんがあたしを見る。 あたしはハッと我に返って久遠くんを見た。 「えっと……。あたし、久遠くんと知り合いだっけ?」 「唯ちゃん、もしかして俺の事覚えてない?」 ゆっくり頷く。 すると久遠くんがガクッと肩を落とした。 「小学生の時、英語習いに行ってただろ?」 「あ、うん」 「その時一緒だったじゃん、俺」 「一緒?」 「ほら。隣の席の」 隣……。 あたしの頭に笑顔の可愛い男の子が浮かんだ。 あ。 「もしかして、新くん!?」 「思い出してくれた!?」 「嘘!?あの新くんなの!?だって新くん、女の子みたいに可愛かったのに……」 .
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