久遠くんとあたし

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そう言うと新くんがうなだれた。 「可愛かったって……」 「あ、ごめんなさい……」 「俺、唯ちゃんが『有名人になったら結婚してあげる』って言うから頑張ってトップモデルになったのに」 「えぇ!?あたしそんな事言った!?」 「言ったよ!!」 そう言って新くんがあたしに今度は正面から抱き着いてきた。 「え!?」 「俺はずーっと唯ちゃんが好きなんだよ。俺の初恋は唯ちゃんだもん」 「えぇ!?」 驚くあたしに新くんが顔を擦り寄せてくる。 そんな新くんから稜があたしを引っ張った。 今度は稜に抱きしめられるあたし。 あたしは混乱する頭のまま稜の制服を掴んだ。 「お前と唯が幼なじみってのはわかった。でも唯は俺の彼女なんだよ。いくら幼なじみだからって、そんなの許せるほど俺は大人じゃない」 稜の言葉に新くんが目をパチクリとさせる。 それから「ブッ」っと吹き出した。 え? 「おいおい!!嘘だろ!?あの稜がマジで焦ってんじゃん!!もしかして稜の弱点って唯ちゃん!?」 大笑いの新くん。 怪訝そうな稜。 呆然とするあたし。 新くんはひとしきり笑ったあと、涙を拭いた。 .
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