久遠くんとあたし

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「あー、わり。本気でウケた」 「なんでだよ」 「だって稜って弱点ないじゃん?しかも焦ってるとこ見たことねぇし。 なのに唯ちゃんの事になるといきなり焦りだすし。マジびっくり」 「てめぇ……」 「でも俺、諦めるつもりないから」 「は?」 「こんだけ会ってないんだ。唯ちゃん可愛いから彼氏ぐらい居ると思ってたし。でもそれが、いとこだと思わなかったけど」 「………」 「稜から奪うってのも面白いじゃん」 新くんが不敵に笑う。 そんな新くんを睨みつける稜。 ギュッと稜の腕に力が入った。 稜……。 ダメだ。 守られてばかりじゃ。 あたしだって、稜が好きなんだから。 あたしは新くんの目を真っ直ぐ見て口を開いた。 「新くん」 「ん?」 「わからないけど、あたしが新くんに軽率な事言ったのは謝る。でも、あたしは今、スッゴく稜が好きなの。だから、ごめんなさい」 ペコッと頭を下げる。 「どんだけ新くんが頑張ってくれても、あたしの気持ちは変わらな……」 スッと、あたしの唇に指が触れた。 驚いて顔をあげると、新くんが人差し指をあたしの唇にあてていたのだ。 .
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