久遠くんとあたし

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「絶対とは言い切れないよね?」 「え?」 「唯ちゃん。俺は君に本気だよ?」 チュッと頬にキスをして新くんは去って行った。 固まるあたしと稜。 それからハッと我に返ってキスされた頬を押さえた。 またあたし、隙見せた!? 真っ赤になって俯くあたし。 すると稜があたしの手を引っ張って歩き出した。 「稜?」 無言のままの稜。 そのまま家に着いた。 家に入った瞬間、稜に顔を掴まれて 「んっ!?」 激しい、息をつく間もないぐらいのキス。 あ……。 どうしよう……。 頭がクラクラして意識飛びそう……。 そんな稜のキスに酔っていると軽いリップ音を立てて稜が離れた。 おでこ同士がくっつく。 あたしはとろけた目で稜を見つめた。 「ありえねぇ……」 「稜……?」 「もう、マジで考えらんねぇ」 また奪われる唇。 そのキスからはイライラした稜の気持ちが伝わってきた。 「唯と新が幼なじみで」 「ん……」 「結婚するとか言ってるし」 「んっ」 「しかも新、本気だし」 「んん……」 「唯はまたキスされるし」 「んぅ……っ」 .
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