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キスの合間に呟かれる稜の気持ち。
苦しい。
だけど、ずっと続けてほしい。
二つの矛盾した気持ちが、あたしの頭を支配する。
ようやく稜のキスから解放されたあたしは、肩で息をしていた。
こんなに気持ちをぶつけられるなんて。
しかも、なんか稜に余裕がない。
あたしはギュッと稜に抱き着いた。
「あたしは……稜が好きだよ……」
「唯……」
「大丈夫。新くんは稜のいとこで、あたしの幼なじみ。それ以上でも以下でもないでしょ?」
ニコッと笑うと稜が今度は優しくキスをした。
「ありがとう。唯……」
「ううん」
しばらく二人抱き合って、あたしと稜は二人でご飯を作った。
そして次の日。
「おっはよー!!唯ちゃんと稜ー!!」
稜と一緒に登校していると後ろから声をかけられた。
振り向くと新くんが走ってあたし達に近寄ってきた。
「なんだお前。唯の半径10㎞以内に近寄んな」
「え、ちょっ、それもう近づくなって言えるレベルの範囲じゃなくね?」
「黙れ。セクハラで訴えるぞ」
「なんでだよ!!じゃなくて!!俺が用事あんのは残念だけど唯ちゃんじゃなくてお前だよ、稜!!」
「は?俺?」
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