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首を傾げる稜。
新くんが頷いた。
「なぁ、お前ホストになってみねぇ?」
「は?」
呆れ顔の稜。
新くんが腕組みをして眉間にシワを寄せた。
「いや、兄貴がな?お前をホストにしたいって、兄貴の店に誘ってんだよ」
「なんで俺なんだよ」
「だってお前、顔いいじゃん。しかも女の子ウケいいし。絶対それなりの順位にいける」
「ふざけんなよ」
「ふざけてねぇよ!!」
「とにかく、やらない。そう言っといて」
あたしの手を掴んで歩き出す稜。
そんなあたし達を慌てて新くんが追った。
「じゃあさ!!モデルは!?」
「だからなんで俺をそっち方向に連れて行こうとすんだよ」
「だって勿体ねぇじゃん。せっかくスタイルいいしカッコイイのに。普通の高校生ってありえなくね?」
「ありえなくない」
「ホストはほんともういいから、モデルだけ引き受けてくんね?頼むよ」
新くんが稜の前で両手を合わせて頼んでいる。
あたしは稜の顔を見た。
「なんでそんなに必死なんだよ」
「実は、今度の特集で俺と一緒に撮るはずだったモデルが怪我してさ。代わりになる人探してるんだけど、なかなか見つからなくて……」
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