親友は死神。

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「えぇ。そうですね、最近の死神は……例えるなら、今でいう老人ホームの職員、みたいな?」 「いやいや、『みたいな?』じゃねぇよ。もっとマシな例えはなかったのか」 いくらなんでも老人ホームの職員に例えられるのは、世の死神達がかわいそうである。 「そうですか?うーん、なら、心理カウンセラー?」 「最近の死神は心理カウンセラーなのか」 初耳である。 「じゃあ……保健室の先生、とか」 「どうしてそうなった」 「あ!わかった、介護犬だ!」 「なんか、どんどんショボくなってるな、最近の死神」 かわいそうなくらいに死神の立場が下がっていっているのはともかく、いや最初から低かった気もするが、とにかく最近の死神は怖くないということをミチルは伝えたいらしい。 「じゃ、じゃあ」 「もういい、もういいよ。俺が悪かった。要はアレだろ?最近の死神は優しいってことだろ?何となくわかったよ」 まだ例えることを続けようとするミチルを慌てて押し止める。 これ以上はツッコミが追い付きそうにない。 「そう!そういうことです。だから魂よこせなんて言わないですよ」 ようやく理解を示した俺に、目をキラキラと輝かせてそう言うミチル。 やはり死神は怖くないということを伝えたかったらしい。 なら。それならば。 「じゃあ死神は何をするんだ?」
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