14人が本棚に入れています
本棚に追加
「そ。オレはお前を喰おうと思ってお前のばばあの家に先回りしてただけだ。
・・・すっかりこっちが驚いたっての!!」
無視されてることを気にしても仕方がないので狼がそういって快活に笑うと、あかずきんは疑うように狼に質問を浴びせます。
「では、本物の私のおばあさんはどこにいるの?」
おお!意外と物分りがいいじゃねぇの!
やっとだ!やっっっとオレのペースになってきたぜ。散々この娘のペースに乗せられたからな・・・ここはちょっと脅かしてやるか。
すると狼は、うーん、と頭をひねらせてわざとらしく視線を泳がせ、にやり、と意地悪く笑います。
「さぁ・・・どこだろうなぁ・・・。もしかしたらオレが喰っ「奴らのところだわ!!!」
「は?!」
あかずきんは勢いよく立ち上がると、強い瞳で叫びます。
狼は当然のことながら呆気にとられてしまいました。
「きっと奴らが、おばあさんが自分達を偵察していることに気づいて、それで・・・・それで・・・・。」
あかずきんはその大きな瞳に涙をためると、悲しげにうつむきます。
「おい・・・」
狼もいよいよどうしたらいいかわからなくなってきました。
最初のコメントを投稿しよう!