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おいおい、こんなにオレを困らせた人間なんて初めてだぜ・・。
いつもどおりただオレは森にのこのこやってきた可愛い女を喰おうとしただけだってのに。
それも村で評判の可愛い娘だって聞いたら狼としては・・いや、男としては狙うだろうよ。狙うに決まってるだろうがよ。
可愛いのは確かなんだがな・・・。
オレの想像を違う意味で裏切ったな。
あ~どうすっかな~
「狼さん・・・」
おぉ!オレが狼だって認めた!いや、それで喜ぶのもおかしいけど。
「ん?」
「あの、おばあさんと勘違いしちゃってすみませんでした・・・。」
あかずきんは俯いていた顔を上げ、狼の目を見上げます。
〈ドキッ〉
「あぁ。別にいいぜ。」
何か今・・・ドキッとした。
いや、まぁいくらでもしたことあるけど。
「じゃあ、私、おばあさんを助けに行きますね。
さようなら!」
あかずきんはそういうと、狼に笑顔で手を振って家から出て行ってしまいました。
残された狼は、思い出したように部屋においてあった大きなタンスを開けると、
「ばばあなら・・・・ここにいるんだけど・・。」
縛られたまま寝ているあかずきんのおばあさんと、なんだか変な気分な狼が取り残されていました。
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