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あたりはだんだん暗くなり・・・ついに夜になってしまいました。
夜の森は昼の森などと比べ物にならないくらい危険です。
不気味な鳴き声が聞こえ始め、あたりは緊張に満ちます。
それでもあかずきんは歩いていました。
「怖い・・・」
もちろん、恐怖を感じないわけはありません。
誰かに見られているような感覚がずっと付きまといます。
それどころかおばあさんのうちから飛び出してきたあかずきんは明かりも何も持っていないのです。
「少し休もうかしら・・・。疲れたわ。」
そういうとあかずきんは近くの木に寄りかかって座りました。
「あら?」
暗闇の中、よく目を凝らしてみると・・・・
「木苺だわ!」
あかずきんは喜んで木苺を摘みます。
「ヘンゼルとグレーテルも通ったのかしら?私が倒すのは魔女ではないけれど。」
おなかいっぱい、とまでではありませんがわずかでも食べ物を口にできてあかずきんがほっとしたときでした。
「小娘・・・」
「わっ」
ぬっとあかずきんがもたれかかっていた木の反対側から現れたのは、大きな大きな熊でした。
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