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「え?」
なんだこの子、凄い純粋だな。
狼がほんの少し良心を取り戻した隙に、彼女は後ろへと飛びのいていました。
「ちっ」
狼は悔しげに舌打ちをしますが、あかずきんが食べられてしまうのも時間の問題なのです。
「そうか・・・。お母さんは、このことを私に教えるために私をここへ寄越したのね。」
あかずきんは怯えた様子もなく淡々と一人で勝手に納得していきます。
困ったのは狼です。
「おい。・・・・・おいおいおいおいおい!!」
「何?」
「何?じゃなくて、ちょっと気になるじゃねぇか。なにを一人で納得してんだよ?」
今まで襲ってきた女とは違う反応に、狼は興味をそそられます。
「なにって、私の一族は実は狼の血が入った一族なのでしょう?
おばあさんは覚醒すると若返るのね・・・。私と同い年くらいかしら?
性別まで変わってしまうのはちょっと抵抗あるけれど。」
おぉい!!!
狼の突っ込みは残念ながら声にはでません。
そのかわり盛大にこけました。
そこらへんのお笑い芸人なんかより綺麗に床に転びました。
くっそ、かっこわりぃ・・・
気を取り直して立ち上がろうとしたところを、あかずきんが真剣な面持ちで駆け寄ります。
「おばあさん!大丈夫?!」
「あいつらが・・あいつらが来たのね・・・。
あれからもう10年が経つわ・・・。ついに、このときがやってきた。
お父さんの仇を討つ時が!!」
「ごめん話が見えない!!」
家の窓の外を鋭く睨むあかずきん。
「おばあさん、まさか忘れたわけじゃないでしょう?
「いやオレおばあさんじゃ・・「私がまだ6歳のときよ・・・」
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