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「ごめんね…お兄ちゃん…」
新しい氷水を額にのせ、洗面器をベッドの下に置いて一息ついた時、妹が小さな声で呟いた
「大丈夫。仕方ない」
ふんわりした顔で笑い、妹の頭を撫でると、妹は休らいだ顔で目を細める
「私も…入学式行きたかったのに…」
しかし休らいでも今日という時間は戻らない
グスッと涙ぐむ妹を見て、兄はぎゅっと抱きしめてあげた
「カエデ」
妹の名を静かに呼ぶ
妹は涙ぐみながら頷く
「明日は一緒に行こうね」
そう言って抱きしめる力を強めた
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